親権喪失の審判
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親による子供への虐待または悪意の遺棄、その他親権によって子供の利益を著しく害するような行為が行われている場合には、親権喪失の審判を申し立てることが可能です。
この審判は、申立ての原因が2年以内に消滅するときは、申し立てることができません。
その理由は、2年までは親権を停止する審判があるからで、2年以内の親権喪失は親権停止の審判を申し立てることで実現されます。
親権喪失は、審判が取り消されるまで親権を剥奪してしまうので、その効果の多さから2年以内なら親権の停止で対応するというわけです。
【用意するもの】
・親権喪失の審判申立書
・申立人の印鑑(認印可)
・子、事件本人(対象となる親権者)の戸籍謄本(全部事項証明書、子と別戸籍の場合)
・子1名につき収入印紙800円分
・連絡用の切手代
申立ては、子供の住所地を管轄する家庭裁判所で、親権喪失の審判を申し立てるには、相手方(夫)が子供に虐待や育児放棄が認められる証拠となる資料が必要です。
親権喪失というのは重い処分なので、より具体的な物的証拠が必要となりますが、証拠を用意するのは申立人であるあなたの責任です。
それは、例えば虐待があって子供の体に傷があったとしても、真に虐待が原因であるかどうかは家庭裁判所では判断できないからです。
ただし、親権者の親権行使の状況については把握しなければ判断はできませんから、15歳以上の子供と親権者の陳述を聴かねばならず、子供が幼い場合には、家庭裁判所調査官が子供に十分配慮して聴取するということはあり得ます。
離婚後や事実婚(内縁関係)解消後である場合、あなたが集められる証拠資料には限りがあるかもしれません。
なぜなら、あなたが親権喪失を訴えるということは、あなたに親権が無く夫が子供と同居しているケースがほとんどだからです。
面会交流時などで子供の異常に気が付いたら、児童相談所への相談や、場合によっては調査会社に依頼するなどしてでも、一刻も早く子供を保護するための策を講じましょう。
多くの場合、子供は話したがらないので、母親であるあなたが積極的に動かなくてはなりません。
親権喪失の審判が容認された場合、親権者がいなくなるので、未成年後見人を法定代理人として専任する必要があります。
夫の親権喪失で、あなたが親権者にはなりませんが、子供の利益を害する夫が親権者であるよりは、安心できる環境になるでしょう。