離婚裁判と一般の裁判の違い

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離婚裁判と一般の裁判の違い

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一般の裁判(民事訴訟)においては、弁論主義といって、当事者が主張するための論拠となる証拠を自ら用意し、裁判所に提出することが必要になります。

逆に言えば、裁判所の判断は証拠の提出があり立証されている範囲で行うという方法を採用しています。

これに対し、離婚裁判のような人事訴訟では、職権探知主義といって、裁判所が証拠を集め判断する方法が採られます。

職権探知主義が採用されている理由は、人事訴訟の場合、戸籍に関係する身分関係の事案もあって第三者への影響が大きく、真実を発見する必要性が高いことからです。

裁判所は職責で当事者が主張しない(争いが無い)事柄についても調べ、事実を突き止めて公正な判決を下す基礎にすることができます。

ただし、職権探知主義であるからといって、訴状だけ提出すれば当事者は何もしなくてよいということではなく、当然に主張すべき内容についての証拠は可能な限り揃えて裁判に臨まなくてはなりません。

そのほかにも、子供の親権や監護権について争うときには、家庭裁判所調査官の調査を活用するといった離婚裁判ならではの特徴や、プライバシーに配慮して裁判官の判断で非公開の法定でできる場合もあります。

また、別訴を禁止する主義があって、一度確定判決が出ると、判決後に生じた新たな事情でなければ、違う理由で同じ内容の裁判を起こせないことが人事訴訟法に定められています。

そのため、離婚裁判は複合的な理由で提訴されることや反訴によってあなたが逆に訴えられることも多く、時間も非常に掛かってしまう面があります。