年金分割の流れと手続き－２．分割割合の話し合いは難しい

年金分割をする前に、「年金分割のための情報通知書」（以下、情報通知書）に書かれている「按分割合の範囲」で、分割割合を夫と話し合わなければなりません。

婚姻中、夫の収入の方が多かったのなら、あなたができるだけ多く年金をもらうためには、最高割合の50%に近づけるように夫を説得しなければならないので、離婚前の夫婦にとっては難しい話し合いとなります。

夫からすれば、自分の年金額が減ることになるので、当然、納付記録に応じた最低割合以上は拒んでくることが予想されます。

逆にあなたの収入の方が多かったのなら、あなたが夫に分け与える割合を検討することになります。

夫に年金を分けたい意思があるならともかく、あなたの年金を減らしたくないときは、夫から年金分割の請求があるまで黙っていた方が良さそうですね。

どちらにしても、夫婦が納めた厚生年金（共済年金）は、夫婦の共有のものとして考えられなければ話し合いは難航します。

合意しなければ調停または審判によって決定していくことになります。

家庭裁判所の判断としては、夫婦に不均衡に分割する特別な事情がなければ、原則的に50％での分割を勧める傾向があります。

夫婦で話し合っても無駄だと感じるなら、早々と調停に持ち込むべきでしょう。