年金分割の流れと手続き-1.情報通知書を入手する
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※説明は厚生年金の場合になりますので、共済年金の場合には、厚生年金を共済年金に、日本年金機構(旧社会保険事務所)を共済組合に置き換えてください。
夫婦の合計の(あなたが扶養に入っており納付記録が無い場合は夫の)厚生年金を分割するためには、どのくらい厚生年金があって、最低どのくらいの割合から分割できるのか決めなくてはなりません。
最高は夫婦平等となるように50%と決まっていますが、最低については夫婦それぞれがどのくらい収めているかで違ってきます。
これらの情報は、日本年金機構に「年金分割のための情報通知書」(以下、情報通知書)を発行してもらうことで知ることができますので、「年金分割のための情報提供請求書」(以下、情報提供請求書)を提出します。
【用意するもの】
- ・年金手帳(厚生年金の場合)または、基礎年金番号通知書(共済年金の場合)
- ・戸籍謄本または夫婦の戸籍抄本(婚姻期間を明らかにしなければならないので住民票は不可)
- ・事実婚の場合には、事実婚があったことが明らかになる書類(世帯全員の住民票の写しなど)
情報提供請求書は、婚姻の時期や、あなたと夫の資格記録(厚生年金に加入している勤務期間)などを記載する欄があります。
その場で書くには、項目が多い用紙なので、先に窓口で用紙をもらってきた方が良いかもしれません。
別紙で書き方や注意事項を詳しく書いている説明書もあります。
離婚前の夫婦は争っていることが多いので、婚姻中に限って情報通知書の交付には配慮がされており、夫婦の一方からの請求のときは、請求した一方だけにしか交付しません。
離婚前なら夫に知られずに情報通知書を得られるので、年金分割するべきかどうかを判断できるのです。
ただし、離婚前で同居している場合には、郵送物を夫が受け取ってしまうかもしれません。心配があるのであれば自分で窓口に行って受け取るようにしたほうが良いでしょう。
情報通知書を手に入れたら、第1号改定者と第2号改定者という欄があります。
第1号改定者とは年金記録の多い側、第2号改定者とは年金記録の少ない側です。
ですから、あなたの年金が増えるためには、第1号改定者が夫で、第2号改定者があなたでなくてはならず、あなたが第1号改定者なら年金が減る側なので、この時点で年金分割はしない方が得です。
あなたが第2号改定者だとして進めますが、続いて「按分割合の範囲」という項目を見てみると、「○○%を超え、50%以下」と書かれています。
この○○%は、あなたの厚生年金の納付記録(標準報酬月額)に応じて算出されます。
【算出方法】あなたの納付記録÷(あなたの納付記録+夫の納付記録)×100%
つまり、夫婦で納めた厚生年金のうちの、あなたが納めた割合になり、専業主婦で扶養に入っていた場合は、当然納付記録が無いので0%です。
この「按分割合の範囲」で厚生年金を分割するために、夫と協議することを始めるのが第一歩です。
なお、婚姻期間中に3号分割の対象期間(あなたが夫の扶養になっていた期間)がある場合は、情報通知書に記載されている按分割合の下限は、3号分割後の割合になります。