離婚協議書(公正証書)-公正証書にするメリットその1
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夫婦で作った離婚協議書は、私文書という扱いですが、公証人が離婚協議書から作る公正証書は、公文書になります。
これが何を意味するか説明します。
離婚協議書というのは、あくまでも離婚時の合意なので、離婚時には大丈夫と思っていても、相手の事情または意思により、内容を守らない場合も考えられます。
特に、金銭的な面での支払いが滞ると、あなたが受け取る側なら大変なことになるのは想像がつきますね。
離婚後でも、わりと相手との関係が良好で、話し合いができればまだ良いのですが、別れた夫とは二度と会いたくないと思う方もいるでしょうし、お互いに状況が変わっています。既に再婚しているかもしれません。
そのような時に、話し合いで解決しない、または話し合い自体が難しいのなら、裁判を起こして争う事も可能です。
裁判では、私文書である離婚協議書が、元夫婦の両者が合意して書いたということを証明できなければ、争うのは難しくなります。
署名は似せることもできますし、印鑑は婚姻中ならどこにしまってあるかくらいは知っていることも多いでしょう。
訴えたあなたは、離婚協議書がねつ造ではない事を証明しなくてはなりませんが、署名捺印の正当性を証明することすら難しくなります。
これが公正証書になると一変します。
争われるのは公正証書の正当性になり、公文書である公正証書は真正であるとされる方向で考えられます。
覆すためには、訴えられた元夫が「その公文書はねつ造されている」という事を証明しなければならず、これは事実上無理な話です。
そのため、裁判において公文書というのは、非常に強力な証拠として扱われます。
要するに、書いただけではあまり効力を持たない離婚協議書を、証拠として活用できるレベルまで引き上げるということです。
公正証書にすることで、相手に(お互いに)守らなければならないという意思を植え付ける意味も、離婚協議書とは比べ物になりません。
そのため、公正証書にすることを嫌がられる場合もありますが、合意して離婚協議書を作っているのであれば可能なはずです。
できるだけ、公正証書にしておきましょう。