調停委員とのトラブル-家事調停
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調停委員は民意を反映させる意味もあって、特に家事調停では一般の人が選任されることが多くあり、調停の当事者から不満がでることも多くあります。
あまりに若いと、調停委員の言うことに耳を貸さない当事者もいますし、逆に高齢のために時代にそぐわない考えを持っている調停委員だっているでしょう。
そして、調停は調停委員を味方につけなければ有利に進まないといわれています。
本来はそのようなことはあってはならないのですが、やはり調停委員も「人」なので感情もあり、個人の考え方はそれぞれ違うということです。
しかし、調停委員とあなたの意見が食い違うのは、ある程度はやむを得ないとしても、全くモラルに欠けるような発言をするようなら考えものです。
例えば、男尊女卑の考えを持っていて、あなたに上から目線で意見をいってくるような男性の調停委員がいたとします。
すぐにでも調停委員の交代を要求したいところですが、基本的に調停委員の交代は難しいと思ってください。
なぜなら、調停を申し立てた本人は、いつでも調停を取り下げたり、調停委員の勧める案に合意しないで、調停を不調(不成立)に終わらせたりすることができるからです。
まずは、一度こらえて担当の裁判所書記官に相談してみるか、その日の調停期日が終わってから次の調停までには日があるので、裁判所に状況を説明して取り計らってもらえないか連絡してみましょう。
それだけでも効果がある場合もありますが、どうしても交代してもらいたいのであれば、裁判所が認めざるを得ないという具体的な理由を説明しなければなりません。
なお、単に調停委員と意見が食い違うだけの理由で、調停委員を交代させることは、ほぼ不可能です。
それは、調停委員が建前上は公平な立場の存在であることから、調停委員を変えても、結果は同じになる可能性が高いことと、仮に結果が異なるとすれば、今度は相手が交代を要求するに決まっているからです。
したがって、調停委員の交代は、事情が調停の進行に重大な支障をきたすほどでなければ認められず、実際には認められることはほとんどなく、調停委員会を指揮する裁判官からの指導等があるくらいです。