調停への誤解-家事調停とは?

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調停への誤解-家事調停とは?

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調停という話し合いの場では、必ずしもあなたの言い分が通り、調停委員が味方になってくれるという保証は全くありません。

あなたに代わって夫と話をしてくれますが、調停委員はあなたの弁護人ではないということです。

調停委員も人間なので、一方に同情してしまうこともあるとはいえ、基本的なスタンスとして公平を保とうとする建前があります。

ですから、調停を申し立てた側が有利になるとは限らず、場合によっては夫の主張が通ってしまうことも考えられます。

特に、あなたから見て、この離婚は夫に一方的な原因があると考えていても、夫婦双方の話を聞いた結果、あなたが考えるよりも調停委員は夫の責任を軽く考えるかもしれませんし、結果がどちらに転ぶかは予想できません。

調停委員は客観的な視点で当事者の話を聞くので、あなたの主張が主観に基づくなら通じることはなく、ましてや本人は主観であることに気付きにくいものです。

そして、調停というのは、「どちらの言い分が正しいかということを判断するための場ではない」ということを予め理解しておく必要があります。

この点は、裁判所で行われるだけに誤解しやすいので、事前に承知しておきましょう。

もちろん、客観的な視点から見て、明らかにあなたの言い分が正しく、夫の責任が重いという場合なら、それを覆されるようなことはないはずです。

調停委員の役割というのは、お互いに話し合いで解決できるための妥協案を探し出したり、可能な限り円満に解決するための道を探し出したりと、双方の話を聞くことにあります。

したがって、本来は調停委員が意見を述べるのではなく、当事者ではどうしても話し合いが付かないときに、調停委員会が考える和解案を提示するくらいです。

裁判所職員であるだけに、調停委員はあくまでも中立的な立場であることを求められますし、また、調停が解決して当事者同士が納得するのであれば、法に触れない道義的な疑問が多少あったとしても、解決に向けて話し合いをする方を選びます。

なぜなら、本来は当事者間で話し合われるべき内容を調停という場で話し合うのですから、合意が得られる内容を導くことが最良で、その是非を問うことで合意が得られなくなっては本末転倒だからです。