自動的に決まる親権
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親権は、必ずしも指定しなくてはならないものではなく、状況によっては自動的に決まる場合があります。
(1)婚姻中の夫婦の子供の場合
婚姻中の父母は、子供の親権を共同で行います。
ただし一方の親が親権を行うことができない場合は、もう一方が行います。
(2)子供が生まれる前の離婚
子供が生まれる前に父母が離婚した場合には、生まれた子供の親権者は母親です。
離婚後300日以内で生まれて、嫡出推定を受けている子供であってもそれは同じです。
ただし、子供が生まれた後で父母の協議によって父親を親権者とすることも可能です。
(3)未婚の母から生まれた子供の場合
未婚の母から生まれた子供の親権は、母親が行います。
事実婚(内縁関係)や交際中など、婚姻届による婚姻以外は全て、生まれた時点では母親が親権者です。
父親が認知をした場合、父母の協議によって父親を親権者と定めたときに限り、父親が親権を行います。
これらは民法で規定されていますが、基本的に母親が親権を持つことが多いのに気付いたでしょうか。
母親というのは分娩がある以上、知らないうちに子供を生むというのはあり得ませんが、父親の場合、知らないうちに子供が生まれていたということが起こりうるため、生まれた子供の親権が母親にないと、親権者が決まるまで不安定な状況下に置かれてしまうので当然ですね。
(1)の親権者の一方が親権を行う場合とは、親権者の一方が事実上で親権を行えない(例えば行方不明や服役中など)ケースと、法律上で親権を行えない(重病や後見人が付いているなど)ケースに分かれます。
どちらであっても、一方が親権を行うことに対して特別な手続きは必要とせず、そもそも婚姻中の共同親権状態において単独で親権を行うことができるだけで、当然に単独親権になるわけではありません。
それに対して、(2)における子供が生まれた後の父母の協議で親権者が決まらない場合、(3)における認知後の父母の協議で親権者が決まらない場合は、親権者指定調停で親権者を決めますが、調停で決まらなければ審判で決められます。
これらの場合には、父母の一方が親権者となるので単独親権です。