調停の流れ 3-実際の調停(家事手続法による運用変更)
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平成25年から施行された家事事件手続法になって調停の運用が変わり、各調停期日の開始時には手続きや進行について、終了時には当日の話し合い内容の確認と次回までの課題について、調停室にて調停委員から説明を受けることになっています。
目的としては、調停の進行予定や手続き、相互の争点の確認など、調停をスムーズに行うためと、双方に同じ説明を聞いてもらうことで、より公正さや中立性を保つための運用変更になります。
この運用は、原則として双方当事者の立ち会いとされており、代理人がいる場合であっても、代理人を加えた当事者同士での立ち会いのもとで行われます。
これまでは、相手方と顔を合わせなくて済むという調停方法だったので、この立ち会いについて戸惑う方もいると思いますが、立ち会いは無条件で一律に行われるものではなく、事情があれば相手方と会うことを拒むこともできます。
例えば、暴力を受ける恐れがある、顔を見るだけで精神的に負担が大きく、その後の調停に支障があるなど、あなたがどうしても嫌であれば、必ず申し出て会わないように配慮してもらいましょう。
なお、運用変更は調停による解決を促進するために行われていますが、全ての家庭裁判所で同一の運用にはなっていません。
また、調停開始時や終了時の同席説明に対し、反対の声が大きいのも確かです。
元々、調停の運用は事案に応じで決められてしかるべきですし、同席の説明を強制されるのは、争いの当事者にとっては嫌なものでしかなく、仕方なく受け入れているケースもあるはずです。
積極的に取り入れている家庭裁判所では、同席説明を原則として当事者から申出があれば別席説明になるのに対し、積極的ではない家庭裁判所では、当事者の同意を得て同席説明を取り入れています。
これだけでも、大きな運用の違いとなっており、前者では別席できると知らなければ同席、後者では別席できると知らなくても選択の余地があるからです。
いずれにしても、事前に同席説明を知っていれば拒むことはできるので、同席したくない場合は、家庭裁判所から言われなくても申し出ましょう。