夫が支払わないとき-強制執行する

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夫が支払わないとき-強制執行する

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夫が履行勧告や履行命令に従わず、依然として養育費や婚姻費用の分担をしないときには、強制執行という手段をとることができます。

強制執行は、支払い義務がある夫の財産を差し押さえる直接強制と、夫に「一定の期間に支払わなければ間接強制金を課す」と警告することで支払いを促す間接強制があります。

■直接強制

養育費や婚姻費用の分担金を得られるように、執行裁判所(通常は地方裁判所)が夫の財産の差し押さえをする手段です。

一般の金銭債権では、未払い分に対しての差し押さえになりますが、養育費や婚姻費用の分担金では、将来に支払われる分についても差し押さえることができる制度が平成16年4月1日から始まっています。

■間接強制

間接強制は、一般の金銭債権には行えませんが、平成17年4月1日から養育費や婚姻費用の分担金等については行えるようになっています。

間接強制では、財産の差し押さえをするわけではないですが、支払わなければ間接強制金を課す(つまり支払いが増加する)という内容になります。

しかし、この間接強制金が多くなりすぎると、夫の生活が困窮してしまうことも考えられるので、間接強制金は夫の収入などを考慮して適正に決定されます。

また、夫にそもそも支払い能力がないと判断される場合には、間接強制の決定がされない場合もあります。

間接強制の手段をとっても、養育費や婚姻費用の分担金、間接強制金を夫が支払わない場合には、最終的には直接強制の手段をとることになります。

二度手間のようですが、間接強制を執行してから直接強制を執行すると、間接強制金の分だけ夫の支払う額が多くなりますので、少なからずメリットはあります。