保護命令の効果-DVでの保護命令
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保護命令は、暴力を振るう恐れのある夫を、あなたや子供・親族から遠ざけるという点では、画期的な裁判所命令ですが、残念ながら執行力を持ちません。
執行力を持たないというのは、裁判所として命じますが強制的に遠ざけることができないという意味です。
この事実を知るとがっかりしてしまい、保護命令を受けても、夫が近辺に存在することを危惧するでしょうか。
しかし、保護命令は夫に通知するのは当然ですが、同時に警察にも通知されますし、配偶者暴力相談支援センターへ相談した経緯があれば、同センターへも連絡がいきます。
加害者が保護命令に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金ですから、保護命令に違反するということは犯罪となります。
以前は何か起こってから動く体質があって、ストーカーなどによる悲惨な事件を防げなかった事から、一時期警察は強烈に批判を受けました。
その経緯から、現在は犯罪が疑われるだけでも警察は動いてくれます。
そして、保護命令違反という明確な犯罪なら確実に警察は動きますし、ましてや保護命令は警察にも通知されているのです。
例えば強制退去命令が出ているにもかかわらず、夫が住居から速やかに出ていかないのなら、それだけであなたは通報でき、警察は逮捕・検挙が可能です。
もし夫が保護命令に違反しているなら、迷わず警察に通報しましょう。
平成24年においては、実際に保護命令違反で検挙されている数が121件あるように、保護命令だけでは安心できません。
国家権力である警察の力も借りて、自分の身の安全を守りましょう。